条件を話し合わないで離婚届を出した場合

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長年連れ添った配偶者が嫌いになったら、多くの方は一刻も早く離婚したいと思うでしょう。しかし、離婚する際の条件を決める前に離婚届を出してしまえば、多くの問題が発生します。

それが、離婚した後に財産分与や慰謝料などで話し合おうとしたら、相手が話し合いに応じてくれない事です。実際に離婚してから条件について話し合おうとしたら、相手が電話番号や住所を変えてしまった上に勤務先へ連絡しても電話に出てくれないケースがあります。

このような事態を避ける為にも、まずは親権や養育費について話し合ってから、離婚届を出すようにしなければいけません。

離婚届を出した後に分けられる財産分与は、婚姻している間に得た財産を清算して、収入の少ないほうを救済する目的があります。

仮に母親が専業主婦であったとしても、今まで家事や育児をして支えた事により財産を築けた事が認められるので、お金を稼いでこなかった専業主婦にも財産が分けられます。慰謝料も離婚届を出した後に支払われるもので、配偶者から苦痛を受けた場合に支払われる損害賠償の事です。

以前まではDV(ドメスティック・バイオレンス)によって、肉体的に苦痛を受けたら慰謝料を支払われる事が多かったのですが、最近ではモラハラ(モラル・ハラスメント)による暴言を言われて精神的苦痛を訴えて慰謝料を請求するケースが増えてきました。

離婚届に必ず記入する必要がある親権

離婚届には「親権者」を記入する欄があって、ここに記入された名前の方が、離婚後も子供と一緒に住めて育てる事が出来ます。

離婚届の親権者を記入する欄に指名を書いてなければ、提出しても受け付けてくれません。なぜなら、親権者の指定は後で決める事が出来ないからです。親権者を決める時に注意しなければいけないのが、夫婦の共同親権は出来ない事です。

ただし、子供が二人以上いる場合は、一人の子供の親権は父親で、もう一人の子供を母親が親権を持つ事が認められています。

離婚届に親権者の指名を自由に書く事が認められないケースとして、母親が妊娠中に離婚した場合があります。

この場合は自動的に親権が母親が持つ事になるので、どれだけ父親が親権を持ちたいと考えても、離婚届の親権の記入欄には母親の指名を記入しなければなりません。

しかし離婚した後に親権を父親に変更する事は可能なので、父親がどうしても親権を持ちたい場合は、離婚届に記入する時だけ一時的に親権者の欄に母親の指名を書けば良いでしょう。その他のケースとして、子供が乳幼児の時は母親が優先的に親権を持つ事が出来ます。しかし、子供が10歳以上であれば、子供が一緒に生活したいと希望する親が親権を持つ事が認めらます。

証人が必要なケースと不要のケース

離婚届には、証人の署名記入欄や押印する場所がありますが、離婚する時には全てのケースで証人が必要という訳ではありません。証人の署名や押印が不要となるケースは、裁判離婚(調停離婚・審判離婚・裁判離婚)です。

調停離婚とは、夫婦の話し合いで解決出来ない場合に家庭裁判所に離婚調停の申し立てをして、離婚する事を言います。審判離婚は、調停離婚をしようとしても話し合いがまとまらない場合に、裁判官の審判によって離婚を成立させるので、話し合いというよりは半ば強制的な離婚の方法と言えるでしょう。

この調停離婚は後で覆す事が可能なので、調停離婚でも話し合いがまとまらない場合があります。この時になって家庭裁判所へ離婚を訴えて、その裁判に勝利した場合に離婚出来る事を「裁判離婚」と言うのです。

この3つのケースとは違い、証人が必要になるケースが、夫婦の話し合いだけで離婚する協議離婚というケースになります。

このケースで証人になれる方は、離婚をしている方であれば誰でもなれるので、親や兄弟であっても問題ありません。もしも親や兄弟が証人になってくれない場合は、弁護士に依頼して、弁護士に証人になってもらえます。

ここで覚えて欲しいのが、証人は離婚届に署名や押印しても、法的な責任を負う事がありません。

そのため、どうしても親や兄弟に証人になってもらいたい場合は、法的な責任を負わない事を説明して、離婚届に署名や押印してもらいましょう。

離婚届以外にも必要となる様々な書類

離婚届を役所に提出しようとしたら「必要な書類が全て揃っていません」と言われる事があります。実は、離婚届以外にも、必要な書類がいくつかあります。揃えなくてはいけない書類は、協議離婚と裁判離婚によって違ってくるので注意して下さい。

まず協議離婚で、離婚届け以外に最低でも揃えなくてはいけない書類は身分証明書で、マイナンバーカード・運転免許証・パスポートなどになります。離婚届を本籍地以外に出す場合は、戸籍謄本が必要です。

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もしも離婚と同時に引っ越す場合は転出届や転入届が必要になりますが、引っ越さない場合は必要ありません。

そして結婚する時に苗字を変えた方が、離婚した後に苗字を戻したいと考えた時は「婚氏続称」が必要になります。さらに「入籍届」が必要な場合として、子供を引き取る場合です。ただし、子供を引き取る場合でも、子供の戸籍変更がない場合は婚氏続称を用意する必要がありません。

裁判離婚では、協議離婚で必要となる書類に加えて、家庭裁判所から受け取る「調停調書の謄本」または「裁判所の謄本」もしくは「判決書の謄本」が必要になります。

裁判離婚で注意して欲しいのは、成立した日から10日以内に手続きする必要があるので忘れないようにしましょう。

離婚届受理通知が届いた後の手続き

離婚する際に届くのが「離婚受理通知」です。これは、離婚の手続きをする為に役所へ行かなかった側に届く書類になります。

例えば、母親が離婚する為に役所へ行ったら、父親のほうへ離婚受理通知が届きます。

ただし、役所へ行っても離婚受理通知が届く場合があって、それが役所へ行った時に本人確認が出来ていない場合です。もしも仕事が忙しくて代理人に役所へ行ってもらった場合は、離婚をする方の本人確認が出来ていないので、離婚届受理通知が届くようになっています。

離婚受理通知が届いた後は様々な手続きが必要で、氏名や住所が変更する場合は、住民票・運転免許証・パスポート・預金通帳・クレジットカードなどで住所や氏名変更の手続きをする必要があります。

さらに扶養家族でなくなった場合は、国民健康保険加入・国民年金の変更の手続きなどもしなくてはいけません。

その他に、母子家庭になる場合は、児童扶養手当または児童手当・保育所の申し込みなどの手続きをする必要があります。